目次
1. 「ピーク・エンドの法則」と初日の重要性
行動経済学に「ピーク・エンドの法則」という言葉がありますが、従業員体験(EX)においては「スタート(第一印象)」が極めて重要です。 入社初日に感じた「歓迎されている安心感」や「組織への期待感」は、その後の数年間にわたるエンゲージメントのベースライン(基準値)となります。 逆に、初日に「放置された」「事務的だった」というネガティブな印象を与えてしまうと、それを挽回するには何倍ものコストがかかります。
2. 事務作業ではなく「体験(Experience)」を設計する
多くの企業が「入社オリエンテーション」を「ルールやツールの説明会」として実施していますが、Sei San Seiではこれを「カルチャーへの招待」と位置づけます。
NGな初日:
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受付で長時間待たされる。
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誰に挨拶していいか分からない。
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一日中、黙々とマニュアルを読み込む。
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一人でランチを食べる。
OKな初日(推奨デザイン):
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サプライズ・ウェルカム: デスクに手書きのメッセージカードや、社員証、ノベルティグッズ、お菓子などが美しくセットされている。
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チームでの出迎え: 始業時にチーム全員で自己紹介タイムを設け、拍手で迎え入れる。
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メンターとの接続: 「今日から何でも聞いてね」というメンターを紹介し、心理的安全性を確保する。
3. 必須イベント「ウェルカム・ランチ」
新入社員にとって最も緊張するのが昼休みです。 「ウェルカム・ランチ」は必須項目としてスケジュールに組み込みましょう。 ポイントは、上司だけでなく「年齢の近いメンバー」や「話しやすいメンバー」を同席させること。仕事の話よりも、趣味や人となり(Roots)を知るための雑談をメインにし、「この人たちとなら楽しく働けそうだ」という感覚を持ってもらうことがゴールです。
4. 帰り際の「チェックアウト」
初日の終わりには、必ず上司か人事が5分〜10分の短い面談(チェックアウト)を行います。 「今日一日どうだった?」「疲れてない?」「困ったことはなかった?」と声をかけることで、新人は「気にかけてもらえている」という安心感を持って帰路につくことができます。 この「安心感を持って帰宅する」ことが、翌日以降の出社意欲に直結します。
Summary
入社初日の目的は、即戦力として稼働させることではありません。 「この会社を選んだ私の決断は間違っていなかった」と自己肯定させることです。 その確信こそが、困難な業務に立ち向かうエネルギーの源泉となります。
Next Step:
次回の入社日に向けて、「ウェルカムカード」の運用を開始しましょう。チームメンバー全員で一言ずつ寄せ書きをするだけで、受け取った本人の感動は段違いです。100円ショップの色紙で構いません、まずは気持ちを形にすることから始めましょう。