2026.01.25

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第29回:「自走」できる状態とは ~自ら課題を設定し、夢中で取り組むまでのロードマップ~

第29回:「自走」できる状態とは ~自ら課題を設定し、夢中で取り組むまでのロードマップ~

目次

1. オンボーディングからの「卒業」

オンボーディング期間(入社後3〜6ヶ月)の終了は、支援の終了を意味します。 これまでは「組織に適応すること(守)」が目標でしたが、これからは「組織に貢献し、変化を起こすこと(破・離)」が求められます。 Sei San Seiにおける「自走(Autonomy)」とは、上司の指示を待つのではなく、自ら「問い(Issue)」を設定し、解決に向けて周囲を巻き込みながら行動できる状態を指します。

2. やらされ仕事を「自分事」に変える「ジョブ・クラフティング」

社員が自走し始めるきっかけとして有効なのが、「ジョブ・クラフティング(Job Crafting)」という手法です。 これは、与えられた業務の内容や進め方を、自分の強み(Can)や興味(Will)に合わせて微調整し、仕事の意味付けを再構築することです。

  • 認知のクラフティング: 「レンガ積み」を「大聖堂を作っている」と捉え直す。

  • タスクのクラフティング: 得意なツールを使って業務フローを効率化してみる。

  • 関係性のクラフティング: 普段関わらない部署の人にヒアリングに行ってみる。

マネージャーは、「この目標さえ達成すれば、やり方は君の好きにしていいよ」と裁量権(自由度)を与えることで、このプロセスを促進できます。

3. 「フロー体験」を生み出すマネジメント

心理学者チクセントミハイが提唱した「フロー(Flow)」とは、時間を忘れて物事に没頭している状態のことです。この状態にある時、人の生産性と創造性は最大化します。 部下をフロー状態にするためには、「挑戦レベル(Challenge)」と「スキルレベル(Skill)」のバランスが重要です。

  • 課題が簡単すぎる→「退屈」

  • 課題が難しすぎる→「不安」

  • バランスが良い→「フロー(夢中)」

マネージャーの役割は、部下の成長に合わせて「少し背伸びすれば届く目標(ストレッチゴール)」を設定し続け、夢中になれる環境を整えることです。

4. 失敗する権利を与える

自走には失敗がつきものです。 「失敗させないように先回りして指示する」ことは、部下から「経験学習の機会」を奪うことと同義です。 致命的なミス以外は目をつぶり、「心理的安全性」を担保した上で挑戦させる。そして結果ではなく「プロセス(挑んだこと)」を称賛する。この文化が、自律型人材を育てます。

Summary

採用担当者と現場マネージャーの仕事は、優秀な人材を「型にはめる」ことではありません。 彼らのRoots(根)がしっかりと地面に張ったのを確認したら、あとは太陽の方向へ自由に枝を伸ばせるよう、邪魔な天井を取り払ってあげることです。

Next Step:

自走への第一歩として、部下に「小さなプロジェクト」を一つ丸投げしてみましょう。「来月のチーム懇親会の企画」でも「共有フォルダの整理ルールの策定」でも構いません。「予算と期限はこれ。あとは全部任せるから、好きにやってみて」と伝えてください。

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この記事を書いた人

株式会社Sei San Sei CEO。半導体商社での技術提案、リクルートでの製造業向け採用支援・RPO推進を経て、ITベンチャー取締役・人事責任者を歴任。2023年にSei San Seiを設立し、大手製造メーカーをはじめ累計30社以上の採用・業務改善支援を手掛ける。「現場の技術理解」と「採用・組織作り」の双方に強いノウハウを持つ。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

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