2026.01.02

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第6回:採用要件定義の落とし穴 ~「スーパーマン」を探していませんか?~

第6回:採用要件定義の落とし穴 ~「スーパーマン」を探していませんか?~

目次

採用できない原因は「要件の肥大化」にあり

採用活動が難航する企業の多くに見られる共通点、それが「求める人物像(ペルソナ)」の非現実化です。 現場からの要望をすべて盛り込んだ結果、「若くて、経験豊富で、スキルが高くて、給与は相場並み」という、市場に存在しない「スーパーマン」を定義してしまっています。 これを続けていると、応募が来ないばかりか、ごく稀に現れる優秀な候補者(ダイヤの原石)すらも、「英語力が少し足りない」といった些細な理由で不合格にしてしまう「機会損失」を招きます。

「Must(必須)」と「Better(歓迎)」の仕分け

Sei San Sei流の要件定義では、「引き算の美学」を重視します。 求人票を作る前に、以下の基準で要件を厳しく仕分けます。

  • Must(必須要件): それが欠けていると、業務遂行が不可能になるレベルのもの。

  • Better(歓迎要件): あれば嬉しいが、入社後の研修やOJTで習得可能なもの。

多くの企業が「Better」を「Must」に混入させています。 例えば、「同業界での営業経験3年以上」は本当にMustでしょうか? 「他業界での営業経験」+「高い学習意欲(Roots)」があれば、3ヶ月でキャッチアップできるのではないでしょうか? このように要件を緩和(緩和というより本質化)することで、ターゲットとなる母集団は劇的に広がります。

スキルを減らし、Rootsを尖らせる

スペック(Can)のハードルを下げることは、採用基準を下げることではありません。 むしろ、「Roots(Will・Can・Being)」の適合基準を上げるために行います。

  • 悪い例: スキル要件も高く、人物面は「明るい人」程度で曖昧。

  • 良い例: スキル要件は最低限だが、「自責思考であるか」「変化を楽しめるか」というBeingの基準は妥協しない。

「完成品」を探すのではなく、自社の土壌で育つ「種」を探す。 この視点の切り替えが、採用成功への第一歩です。

まとめ

スーパーマンは空を飛んでどこかへ行ってしまいますが、Rootsが合う人材はあなたの会社に根を張ってくれます。 次回は、Rootsマッチングの肝となる「自社のBeing(カルチャー)」を正しく言語化する手法について解説します。

Next Step

現在募集中の求人票(JD)を一つ取り出し、「必須要件」の項目を半分に減らせないか検討してみてください。「これ、本当に入社初日に必要?」と自問自答してみましょう。

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この記事を書いた人

株式会社Sei San Sei CEO。半導体商社での技術提案、リクルートでの製造業向け採用支援・RPO推進を経て、ITベンチャー取締役・人事責任者を歴任。2023年にSei San Seiを設立し、大手製造メーカーをはじめ累計30社以上の採用・業務改善支援を手掛ける。「現場の技術理解」と「採用・組織作り」の双方に強いノウハウを持つ。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

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