目次
1. 採用コストを無駄にする「早期離職」
苦労して採用した人材が、入社後半年以内に退職してしまう「早期離職」。その損失は計り知れません。採用エージェントへのフィー、面接にかかった工数、そして現場のモチベーション低下など、数百万〜数千万円の損失に匹敵します。 多くの早期離職の原因は、業務内容の不一致ではなく、「組織に馴染めない(カルチャーアンマッチ)」や「放置されたという疎外感」にあります。これを防ぐのがオンボーディングです。
2. オンボーディング(Onboarding)とは
「船や飛行機に乗っている(On-board)」状態に由来する言葉で、新入社員が組織の一員として定着し、戦力化するまでの一連の支援プロセスを指します。 従来の「新人研修」との違いは以下の通りです。
新人研修(Training):
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目的:業務知識やスキルの習得(Canの向上)。
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期間:数日〜数週間(スポット的)。
オンボーディング(Onboarding):
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目的:組織文化への適応、人間関係の構築、心理的安全性の確保(Being/Willの接続)。
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期間:入社前から入社後3ヶ月〜半年(継続的)。
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Sei San Seiでは、「Roots(特にBeing)」を組織に接続する作業こそがオンボーディングの本質であると定義しています。
3. 魔の「リアリティ・ショック」を防ぐ
入社前に抱いていた理想と、入社後の現実とのギャップに衝撃を受けることを「リアリティ・ショック」と呼びます。 「思ったより自由じゃなかった」「質問できる雰囲気がなかった」といった小さな失望の積み重ねが、離職の引き金となります。 これを防ぐためには、人事が現場任せにせず、定期的な面談(1on1)を行い、「今、何に困っているか」「ギャップはないか」をガス抜きし続けることが不可欠です。
4. 最初の90日が勝負
組織行動学において、「入社後の最初の90日間」がその後のパフォーマンスと定着率を決定づけると言われています。 この期間に「自分はこの組織に受け入れられている(Accepted)」という感覚を持たせられるかどうかが、オンボーディングの成否を分けます。
まとめ
採用活動の真のゴールは「入社」ではありません。「入社後活躍」です。 契約書を交わした後にこそ、人事の「愛」と「手厚いフォロー」が求められます。
Next Step
直近1年以内に入社した中途社員にヒアリングをしてみてください。「入社して最初の1ヶ月、何が一番不安でしたか?」と聞くことで、自社のオンボーディングの欠陥が見えてくるはずです。