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「今月の採用目標は達成した」 「応募数は順調に増えている」
日々の採用活動で、応募数や面接通過率、内定承諾率といったKGI/KPIを追いかけることは、採用活動を数値で管理する上で非常に重要です。
しかし、少し立ち止まって考えてみてください。そのKGI/KPIを達成したとして、皆さんの採用活動は本当に成功していると言えるでしょうか?
採用人数は増えたけれど、入社後に「あれ?何か違うな」と感じるミスマッチや、せっかく採用したのに早期離職に悩まされた経験はありませんか?
この記事では、採用活動で陥りがちな「KGI/KPIの罠」から抜け出し、本当に企業を成長させる「入社後活躍人材」を採用するために、どこに焦点を当てるべきなのか、その根本的な考え方について解説します。
なぜ「KGI/KPIの達成」がミスマッチを生むのか?
多くの中小企業が直面している課題として、「とりあえず人手が欲しい」「目の前の欠員を埋めたい」という短期的な視点での採用が挙げられます。この目的が強すぎると、どうしても「数をこなす」方向へと走りがちになります。
陥りやすい「欠員補充」の思考
その結果、採用におけるKGIやKPIも、「応募数」「面接設定数」「内定承諾数」といった、あくまでプロセスを測る短期的な指標に終始してしまいます。
例えば、「月に3名内定承諾を得る」というKGIがあったとします。採用担当者はこの数字を達成するために、多少カルチャーフィットに疑問があっても、スキルが完璧でなくても、「とりあえず採用する」という選択肢を取りがちになります。
しかし、そこで見落とされがちなのが、採用の「本来の目的」です。採用は、企業の成長のために、その組織に新たな価値をもたらす人材を迎え入れる行為です。単なる「数の確保」では、その本質を見失ってしまいます。
「入社」はゴールではなく「スタートライン」
KGI/KPIを達成したとしても、それが「入社後のミスマッチ」や「早期離職」に繋がってしまうのはなぜか。それは、KGI/KPIが「採用プロセスの完了」、つまり「入社」をゴールとして設定しているからです。
入社はゴールではありません!入社はスタートラインです!
本来のゴールは、その人が入社後に会社のカルチャーに馴染み、その能力を最大限に発揮し、長期的に企業の成長に貢献してくれること、つまり「入社後活躍」してくれることです。
短期的なKGI/KPIに縛られると、この「入社後活躍」という最も重要な視点が抜け落ちてしまいます。スキルや経験だけを見て採用し、価値観のすり合わせが不十分なまま入社に至ると、入社後に「思っていたのと違う」というギャップが生じ、モチベーションの低下、そして最終的には離職へと繋がってしまうのです。
採用の真の目的:「入社後活躍」への視点転換
では、どうすれば良いのでしょうか? 採用の真の目的は、ズバリ「企業の持続的な成長に貢献する入社後活躍人材の採用と定着」です。
KGI/KPIは、その目的を達成するための「羅針盤」であり、「道しるべ」でしかありません。羅針盤が指し示す方角ばかりに囚われて、目的地の景色(=入社後の活躍)を見ようとしなければ、本質的な価値は見出せないのです。
まず、自社の「入社後活躍」を定義する
ミスマッチを防ぐために最も重要なことは、まず皆さんの会社にとっての「入社後活躍」とは何かを、明確に定義することです。
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それは、単に売上を上げることでしょうか?
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チームを良い雰囲気にすることでしょうか?
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新しいアイデアを生み出すことでしょうか?
その定義は、企業のビジョンやミッション、そして文化によって様々です。
この定義が明確になることで、私たちが見るべきKGI/KPIも変わってきます。「入社半年後の定着率」「入社1年後のパフォーマンス評価」「入社者のエンゲージメントスコア」など、より入社後の活躍に紐づく指標を意識するようになるでしょう。
このように、採用活動を「短期的な欠員補充」から「未来の企業成長への投資」へと捉え直すことが、ミスマッチや早期離職の課題を解決する第一歩となります。
まとめ:採用を「作業」から「戦略」へ変える3つの認識
最後に、本記事の要点を3つにまとめます。
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KGI/KPIは「道しるべ」であり、ゴールではない 採用活動におけるKGI/KPIはプロセスを測る指標であり、それ自体の達成がゴールではない、という認識を持つこと。
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採用の真の目的は「入社後活躍人材の採用と定着」 短期的な「欠員補充」ではなく、「企業の持続的な成長に貢献する入社後活躍人材の採用と定着」こそが、採用の真の目的であると理解すること。
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自社にとっての「入社後活躍」を定義する 「入社後活躍」とは具体的にどのような状態か、自社独自の定義を明確にすることの重要性を認識すること。
この視点を持つことで、皆さんの採用活動は、単なる事務作業から、企業の未来を創る戦略的な活動へと大きく変貌を遂げるはずです。