目次
中途採用において、自社が求める「入社後活躍人材」の定義が明確になったら(ステップ1)、次はその素晴らしい人材に「あなたの会社を選んでもらう」必要があります。
「うちは大手ほどの知名度もブランド力もないから、優秀な人材は難しい…」
多くの中小企業の経営者や人事担当者の方々が、そうお悩みかもしれません。しかし、それは決して真実ではありません。
現代の転職市場では、給与や知名度だけで会社を選ぶ人はむしろ少数派になりつつあります。特に「入社後活躍人材」は、企業理念、仕事のやりがい、自身の成長機会、チームの文化、社会貢献性など、「無形の価値」を非常に重視する傾向にあります。
彼らは、自らが入社後、組織にどう貢献し、どう成長できるかを真剣に考えているからです。つまり、貴社が持つ独自の「無形の価値」こそが、採用における最大の競争優位性になるのです。
「アットホーム」はNG。魅力を「具体化」する
では、「自社の魅力」とは具体的に何を指すのでしょうか?
よくあるのが、「アットホームな雰囲気」や「風通しの良い職場」といった抽象的な表現です。これでは、具体的なイメージが湧きにくく、求職者には響きません。魅力とは、求職者が「ここで働くことで、自分は何を得られるのか」を具体的に想像できる情報でなければなりません。
例えば、「アットホーム」と表現する代わりに、
「毎週水曜日はチーム全員でランチに行き、部署の垣根を越えた交流で新しいアイデアが生まれることもあります」
このように具体的なエピソードや制度に落とし込むことで、より鮮明に魅力を伝えることができます。
魅力を効果的に発信する3つの視点
この具体的な魅力を「入社後活躍人材」に届けるために、3つの視点を持ってください。
1. 客観性(社員や顧客の声で裏付ける)
「うちの会社は働きやすい」と自社が言うだけでは、正直、説得力に欠けます。そこで、社員の声、顧客の声、あるいは第三者の評価などを活用しましょう。
例えば、社員インタビューでは、「上司が素晴らしい」という漠然とした表現ではなく、
「上司はメンバーの意見を丁寧に聞き、自律的な成長を後押ししてくれるので、安心して挑戦できます」
このように、具体的な行動や文化に焦点を当てて語ってもらうのです。これにより、言葉に重みが生まれ、信頼性が増します。
2. ストーリー性(物語で心を動かす)
人は物語に心を動かされます。企業の歴史、創業者の想い、困難を乗り越えたエピソード、そして社員一人ひとりの成長ストーリーなど、貴社ならではの「物語」を語りましょう。
例えば、
「入社2年目の〇〇さんが、自分のアイデアを元に新規事業を立ち上げ、現在では事業責任者として活躍しています」
といった具体的なキャリアパスや成功事例は、求職者にとって「自分もここでなら成長できるかもしれない」という期待感を与えます。失敗から学び、成長してきた過程もまた、貴社の人間味と魅力を伝える大切な要素になります。
3. 多角的なチャネル活用(ターゲットに届ける)
現代は情報収集の手段が多様化しています。採用サイトはもちろんのこと、SNS(LinkedIn, Facebook, Twitterなど)、ブログ、社員からのリファラル(紹介)採用、業界イベントへの参加など、様々なチャネルを通じて貴社の魅力を発信しましょう。
各チャネルには特性があります。
-
SNS: 日常の様子や社員の生の声を発信し、親近感を高める。
-
採用ブログ: 事業内容や仕事のやりがいを深掘りする記事を掲載する。
-
動画: 会社の雰囲気を直接伝える。
重要なのは、情報発信を一方通行で終わらせず、双方向のコミュニケーションを意識することです。これらの発信はすべて、前回のレッスンで定義した「入社後活躍人材」のペルソナ(人物像)を意識して行うことが肝心です。
まとめ
入社後活躍人材を安定的に惹きつけるには、貴社の持つ真の魅力を余すことなく伝えることが不可欠です。
「自社の魅力」を具体化する 給与や知名度だけでなく、企業文化、成長機会、仕事のやりがいといった「無形の価値」を具体的なエピソードや制度で定義すること。
「客観性」と「ストーリー性」を意識する 発信にあたっては、社員の声や顧客の声を取り入れた「客観性」、企業の歩みや社員の成長を伝える「ストーリー性」を意識すること。
「多角的なチャネル」で発信する 採用サイトだけでなく、SNS、ブログ、リファラルなどを活用し、ターゲットに響くメッセージを届けること。
ぜひ今日から、自社の魅力を改めて棚卸しし、それを最も効果的に発信できる具体的な方法を考えてみてください。