目次
1. クロージングとは「握手」の儀式
多くの企業が、内定出しを「通知(Notification)」と考えていますが、これは誤りです。内定出し(クロージング)とは、企業と候補者が互いのRootsを確認し合い、未来への合意形成を行う「握手(Agreement)」のプロセスです。 メール一本で済ませる事務的な対応は、候補者のエンゲージメント(志望度)を著しく低下させ、内定辞退のリスクを高めます。
2. 必須のプロセス「オファー面談」
内定通知書を渡す際には、必ず対面(またはオンライン)での「オファー面談」を実施すべきです。この場の目的は、以下の3点です。
① 期待値の伝達(Why You):
なぜあなたを採用したいのか、これまでの選考でどこを評価したのかを具体的に伝えます。
「スキルの高さだけでなく、○○という価値観(Being)がチームにフィットすると確信した」という言葉は、候補者の承認欲求を満たし、入社への自信を与えます。
② 条件の提示と納得感の醸成:
給与などの労働条件を提示します。もし候補者の希望年収に届かない場合は、「なぜこの金額なのか(等級制度の説明)」と「どうすれば上がるのか(昇給のロードマップ)」を誠実に説明し、納得感を得ることが重要です。
③ 不安の払拭(リスクヘッジ):
入社にあたっての懸念点を全て吐き出してもらいます。「現職からの引き留めにあっていないか?」「家族は賛成しているか?」を確認し、必要であれば説得材料を提供します。
3. 「オヤカク」と「夫・嫁ブロック」対策
近年、親や配偶者の反対によって内定辞退となるケース(嫁ブロック/夫ブロック/オヤカク)が増えています。 候補者本人のWillが高まっていても、周囲の理解がなければ転職は成立しません。 「ご家族は今回の転職について何と言っていますか?」と確認し、企業の安定性を示す資料や、福利厚生の手厚さをアピールするレターを用意するなど、候補者が家族を説得するための武器を持たせることが有効です。
4. 入社までの「空白期間」を埋める
内定承諾から入社日まで期間が空く場合、候補者は「マリッジブルー」ならぬ「内定ブルー」に陥りやすくなります。
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定期的に連絡を取る。
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チームメンバーとのランチ会を設定する。
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社内報を送る。 こうしたフォローアップ(つなぎ止め)を行うことで、入社初日までモチベーションを維持させることができます。
まとめ
採用活動の最後にして最大の難関がクロージングです。 「選ぶ立場」から「選ばれる立場」へと意識を切り替え、候補者の人生を預かる覚悟を持って、熱烈なオファーを届けましょう。
Next Step
自社の「オファー面談」の台本を確認してください。「条件通知」だけで終わっていませんか? 「評価ポイント」と「期待するミッション」を語るパートを必ず追加しましょう。