2025.12.29

お役立ち情報

第2回:従来の採用の限界 ~「スペック×条件」のマッチングが早期離職を招く理由~

第2回:従来の採用の限界 ~「スペック×条件」のマッチングが早期離職を招く理由~

目次

1.多くの企業が陥る「スペック×条件」採用

採用活動において、多くの企業が無意識に行っているのが「スペック(能力・経歴)」と「条件(待遇)」を中心としたマッチングです。
 
  • スペック: 学歴、職歴、保有資格、語学力、経験年数など
  • 条件: 給与、勤務地、福利厚生、休日数、リモートワーク可否など 求人票(JD)にこれらの要件を並べ、それに合致する履歴書を持つ候補者を探す。
 
一見合理的で効率的に見えますが、Sei San Seiではこの手法こそが早期離職やミスマッチの主原因であると考えています。

2. なぜ「条件」での採用は脆いのか

「スペック×条件」重視の採用には、致命的な欠陥が2つあります。

 

  1. 「条件」で選んだ人材は、「条件」で去っていく
    給与や待遇を最優先事項として入社した人材は、動機づけの源泉が「外的報酬(金銭や地位)」にあります。 したがって、競合他社から「プラス50万円の年収」や「より良い福利厚生」を提示された瞬間、その人材にとって自社に留まる理由は消失します。これを「条件ショッピング」と呼び、エンゲージメント(帰属意識)が育ちにくい典型的なパターンです。
  2. 「過去の成果」は「未来の活躍」を保証しない
    「前職でMVPを取った」「有名企業に在籍していた」というスペックは、あくまで「その環境(土壌)だったから咲けた花」である可能性があります。 

企業のカルチャー、フェーズ、リソースの有無など、環境が変われば求められる行動特性は異なります。「ハイスペックだから活躍するだろう」という推測は、土壌の適合性を無視した危険な賭けと言えます。
 

3. 履歴書には載っていない「本質」

採用において真に見極めるべきは、可視化しやすいスペックの奥にある人間性です。

Sei San Seiの提唱する入社後活躍(定着・夢中・自走)を実現するためには、「何ができるか(Can)」だけでなく、「何をしたいか(Will)」そして「どんな価値観を持っているか(Being)」の適合が不可欠です。

人間関係に例えるならば、スペックマッチングは「条件婚」、Rootsマッチングは「恋愛婚」に近いと言えるでしょう。困難に直面した時、条件だけで繋がった関係は脆く、価値観で繋がった関係は粘り強いのです。

まとめ

従来の「スペック×条件」採用は、あくまで入り口のフィルタリング機能に過ぎません。 入社後の定着と活躍を目指すのであれば、履歴書という「過去のデータ」だけでなく、候補者の「未来と内面」に焦点を当てる必要があります。 次回は、この内面を見極めるためのフレームワーク「Roots(Will・Can・Being)」について詳細に解説します。

Next Step

自社の求人票を見返してみてください。「必須スキル」や「待遇」の記載ばかりで、どのような「想い」や「価値観」を持った人を求めているか、記述が抜け落ちていませんか?

\この記事をシェアする/

  • コピーしました!

この記事を書いた人

株式会社Sei San Sei CEO。半導体商社での技術提案、リクルートでの製造業向け採用支援・RPO推進を経て、ITベンチャー取締役・人事責任者を歴任。2023年にSei San Seiを設立し、大手製造メーカーをはじめ累計30社以上の採用・業務改善支援を手掛ける。「現場の技術理解」と「採用・組織作り」の双方に強いノウハウを持つ。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

戦略設計から実行・自動化まで

採用活動をワンストップでサポートします。