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「採用しても、なんだか期待と違う」 「せっかく入社してくれたのに、すぐに辞めてしまう」 「活躍してくれるはずの人材が、なぜか力を発揮できない」
こうした課題に直面している経営者や人事担当者は少なくないはずです。
「入社後活躍人材」と聞いて、「前職で輝かしい実績を残してきた人」や「高いスキルを持った、いわゆる優秀な人」をイメージするかもしれません。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
残念ながら、前職での実績や高いスキルだけでは、必ずしもあなたの会社で「活躍」するとは限らないのです。他社で優秀だった人が、貴社で同じように活躍できるとは限りません。特に中小企業においては、大手企業とは異なる文化やリソース、ビジネスフェーズがあります。
だからこそ、単なる「優秀な人」を探すのではなく、「貴社にとっての活躍人材」を定義することが非常に重要なのです。
入社後活躍人材を構成する3つの要素
では、具体的に「入社後活躍人材」とはどのような要素で構成されているのでしょうか。活躍人材は、大きく分けて次の3つの要素で構成されています。
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スキル・経験のフィット
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カルチャーフィットと価値観の一致
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エンゲージメントと貢献意欲
一つずつ見ていきましょう。
1.スキル・経験のフィット
これは最も分かりやすい要素です。特定の業務を遂行するために必要な知識や技術、過去の実績がこれにあたります。
重要なのは、単に「できる」だけでなく、**「貴社の環境で活かせるか」**という視点です。貴社の現在の事業フェーズや、チームのリソース、顧客層などに、そのスキルや経験が本当にフィットしているか。そして、入社後にスムーズに業務に取り掛かり、成果を出せるレベルにあるかを見極める必要があります。
単に「経験者」というだけでなく、貴社の具体的な業務内容にどこまでマッチしているかを深く掘り下げましょう。
2. カルチャーフィットと価値観の一致
次に、多くの企業が見落としがちでありながら、最も重要な要素の一つが「カルチャーフィットと価値観の一致」です。これは、企業の理念やビジョン、行動規範、職場の雰囲気などに、その人がどれだけ適応し、共感できるかという点です。
「いい人」と「合う人」は違います。
どれほどスキルが高くても、貴社の企業文化やチームの働き方、意思決定のスピード感といったものに違和感を覚えれば、その人は力を発揮しにくくなります。例えば、スピード感を重視する文化の会社に、完璧主義でじっくりと時間をかけたい人が入社した場合、お互いにストレスを感じてしまうかもしれません。
ここでの「フィット」は、単なる「仲良くなれるか」という話ではありません。仕事に対する価値観、成果へのコミットメントの仕方、困難への向き合い方など、根源的な部分で貴社と候補者が共鳴できるかどうかが問われます。
3. エンゲージメントと貢献意欲
そして3つ目が、「エンゲージメントと貢献意欲」です。ここでいうエンゲージメントとは、会社への愛着や仕事への熱意、そして自ら課題を見つけて解決しようとする主体性のことです。
入社後活躍人材は、与えられた仕事をこなすだけでなく、「この会社を良くしたい」「自分の力で会社に貢献したい」という内発的な動機を持っています。
これは、単なる賃金や待遇だけでなく、仕事そのものへの面白さや、会社への貢献を通じて得られる充実感を求める姿勢と言えるでしょう。自ら学び、成長しようとする意欲や、困難な状況でも諦めずに目標達成に向けて努力できる粘り強さも、この要素に含まれます。
自社にとっての「活躍」を定義する
これら3つの要素は、どの企業にとっても共通して重要ですが、貴社にとっての「活躍」の定義は、貴社独自の文化や事業フェーズによって異なります。
例えば、「新しい事業を立ち上げたいフェーズ」であれば、既存のルールにとらわれずに自ら道を切り開く「推進力」が活躍の定義に含まれるでしょう。一方、「既存事業を安定的に拡大したいフェーズ」であれば、堅実に業務をこなし、着実に成果を積み上げる「正確性や継続性」が重視されるかもしれません。
大切なのは、単に職務記述書に書かれたスキル要件だけを見るのではなく、**「この人が入社したとして、具体的にどのような行動をとり、どのような成果を出せば、私たちはその人が活躍していると言えるのか?」**を明確に言語化することです。
ぜひ、今貴社で「活躍している」と思える社員の方々を思い浮かべてみてください。彼らはどのようなスキルを持ち、どのような価値観で仕事に取り組み、どのような貢献意欲を見せているでしょうか?彼らをベンチマークとすることで、貴社にとっての「入社後活躍人材」の輪郭が、よりはっきりと見えてくるはずです。
まとめ
中途採用のミスマッチをなくすためには、まず「入G後活躍人材」を正しく定義することが不可欠です。
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「優秀な人」ではなく「貴社にとっての活躍人材」を定義する 前職の実績やスキルの高さだけで判断してはいけません。
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活躍人材は3つの要素で構成される 「スキル・経験」「カルチャーフィット・価値観」「エンゲージメント・貢献意欲」の3つの側面から見極める必要があります。
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具体的な「活躍の姿」を言語化する 抽象的な「優秀さ」ではなく、貴社の文脈に合わせた具体的な行動や成果を定義することが成功の鍵となります。
ぜひ一度、皆さんの会社にとって「入社後活躍人材」とは具体的にどういう人なのか、ご自身の言葉で定義する時間を設けてみてください。それが、ミスマッチのない採用への第一歩となります。